めぼ(ものもらい)ってどんな病気?~麦粒腫と霰粒腫の違い~
手術室担当看護師kです。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、めぼ(ものもらい)についてお話させて頂きます。
まず、この「ものもらい」という呼び名ですが、目のまわりのできもののほとんどは「ものもらい」と呼ばれます。この呼び名から「人からもらう病気」のように思われがちですが、実はそうではありません。原因、症状、対処法について解説します。因みに、めぼ「ものもらい」の他に「めばちこ」、「めいぼ」、「おひめさん」など地方ごとにさまざまな方言が用いられて呼ばれています。
めぼ「ものもらい」には、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)に分かれます。
【麦粒腫】
化膿による瞼の炎症で、痛み・痒み・発赤・腫れを伴い、瞼の内側(内麦粒腫)や瞼の表面(外麦粒腫)に膿が出来ます。涙や汗を分泌する腺や毛穴から細菌感染を起こしたのが原因です。
治療法は通常、抗生物質の点眼や内服で治療しますが、黄色く膿が溜まっている時には切開して、膿を出すと早く治ります。
【霰粒腫】
瞼の縁にある脂を排出するはたらきを持つマイボーム腺に皮脂が詰まり、肉芽腫を形成したもので、麦粒腫とは異なり、細菌感染を伴わない無菌性の炎症です。典型例では痛みも赤みもなく、急には大きくなりません。しばらくの間は経過を見ていても構いませんが、自然に治ることはまずありません。炎症を伴った場合は麦粒腫と似た症状が出ることがあり、これを急性霰粒腫と呼びます。
治療法は、小児の場合や腫瘤が小さい場合は、自然に吸収されることもあるので、しばらくの間は放っておいても構いません。点眼薬・内服薬・眼軟膏で様子をみますが、大きい場合は手術で摘出する必要があります。霰粒腫を包んでいる袋を切開し、内容物を除去します。当院では日帰りの手術を施行しています。
乳幼児から高齢者まで、幅広い年齢層で発症します。高齢者では悪性腫瘍との鑑別も重要となります。
非常に簡単ではございますが、めぼ「ものもらい」についてお話させていただきました。瞼にできものが出来たら自身で判断せず眼科医の診察を受ける事をお勧めします。
これからも患者様のお役に立てる情報を提供していきたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。