斜視ってどんな病気?

手術室担当看護師kです。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、斜視についてお話させて頂きます。

斜視(しゃし)とは

片方の眼は視線が正しく目標とする方向に向いているが、もう片方の眼が内側や外側、あるいは上や下に向いている状態のことを言います。

俗に(すがめ)、ひんがら目(ひんがらめ)、藪睨み(やぶにらみ)、ガチャ目ロンパリ寄り目と言われています。

眇は、片眼が細い、あるいは潰れているさまを表し、ひんがら目は「僻目(ひがらめ。僻眼とも)」が変化した語であり、またロンパリは、一方の目でロンドンを見つつ、もう一方の目でパリを見ているさまに喩えた語であるとされています。

原因

遺伝という説もありますが、はっきりした関係性やメカニズムなどはわかっておらず、遺伝によるものとは断定できません。他には、強度の近視や遠視、失明、乳幼児期の弱視などで目の筋肉バランスが崩れてしまうことによる。また、外傷による場合もあります。脳腫瘍によるものもあるので注意が必要です。

症状

左右の目がそれぞれ異なる方向を向いているため、美容的なデメリットの他、機能的には両眼視差による立体視(遠近感の獲得)が困難になる他、視ている像が二つに見える複視が生じることもあります。両眼視差による立体視はおおよそ生後2ヶ月から2歳頃までで形成されるので、その期間で恒常性斜視が続くと、手術で矯正されても両眼視差による立体視を獲得するのは難しくなります。ただし、大人になってから立体視機能を獲得した例もあります。

人間の眼は本来、片方が左右のずれを捉え、もう片方で奥行きのずれを捉える事により立体視している。両眼視機能がない人間は「利き目」が両方の役割を担うことになる。そのため利き目に負担がかかりやすく、逆の目の映像は複視や視力差により脳内で混乱を起こすため「抑制」と呼ばれる脳機能で本来の映像が制限される。両眼視機能がある状態であれば、前視界のうち50/50程度の割合となるが、仮に右眼が斜視、左眼が通常の場合は70/30といったような役割分担となる。「抑制」は特に幼少期の患者に起こるが、「抑制」により使われなくなった眼は視力低下などを併発する傾向があり、これによりさらに斜視の症状が進行したり、弱視となる可能性もあります。

左右どちらの眼で見ているのか自覚できる場合がある。片眼しか見えないわけではなく常に両眼が見えているのだが、「見ている」眼と「見えている」眼とに意識的に切り替えることができる。それにより遠方と近方を左右で使い分ける習慣が身についた場合、左右の視力差が大きくなることもあります。

治療

斜視の原因により、基本的には異なります。眼科専門医、視能訓練士による検査により明確にその原因についてはっきりさせ治療計画をたてます。調節性内斜視に代表される斜視では、眼鏡やコンタクトレンズなどで屈折矯正を行うことにより、斜視を治療することができるケースもあります。また物を見る力をつけさせること(視能訓練)により斜視を治療できる場合があります。他にもプリズム眼鏡等を用いる方法もあります。また、眼を動かす眼外筋の位置をずらして、斜視を治療する手術もあります。手術になる場合、小児においては全身麻酔下で行い、大人は局所麻酔で行う場合が多いです。どの治療を進めていくかは斜視の程度や進行状況によって個人差がありますので、医師と相談の上、治療方針を決定していく必要があります。

非常に簡単ではございますが、斜視についてお話させていただきました。これからも患者様のお役に立てる情報を提供していきたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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