“目の現代病”ドライアイについて
視能訓練士のmです。
ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
まだまだ寒い日々が続き、空気の乾燥も気になりますよね。
乾燥した空気は目から水分をうばい、『ドライアイ』の原因となります。
そこで今回は『ドライアイ』についてお話させていただきます。
〇ドライアイとは…
涙は目の表面を覆って、目を守るバリアのような働きをしています。
さまざまな要因で涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって目の表面に涙が均等にいきわたらなくなり、“目の乾き”や“目の疲れ”などの症状を感じるようになります。また、目の表面に傷を伴うこともあります。
これがドライアイです。
近年では日本人の3人に1人が悩まされているといわれています。
〇涙の構造と働き…
涙は“油層”、“水層”、“膜型ムチン”から成り立っており、それぞれのバランスが涙の安定性を保っています。この層が不安定になると、涙が蒸発しやすくなります。
*参天製薬資料
〇ドライアイの主な症状…
ドライアイの症状は、『目が乾く』だけではなく、さまざまです。
以下のような症状がある場合、ドライアイの可能性があります。
〇ドライアイの原因…
ドライアイの原因には、体質、加齢による涙の分泌量の減少、病気なども関係しています。
しかし、そういった原因がなくても、私たちの生活の中にはドライアイになる誘因があふれています。
特に近年では環境的要因が多く関係しており、パソコンやスマートフォンなどを見続けることによる“まばたきの減少”、冷暖房による室内の乾燥、コンタクトレンズの長期・長時間の装用、夜型の生活、運動不足、ストレスなどライフスタイルも関わっていると言われています。
〇ドライアイの対処法(検査・治療)…
ドライアイの診断には、以下のような特殊な検査が必要になります。
・涙液層破壊時間検査(BUT検査):まばたきの後、表面の涙の膜が壊れるまでの時間の測定
・フルオレセイン染色:角膜を染色後ブルー光を当てて、角膜の傷の有無を確認
・シルマー試験:専用の試験紙を下まぶたの端に挟み、涙で溢れた部分で分泌量を測定
また、当院ではドライアイに関わる各検査をこなすことができる『idra(アイドラ)』という最新機器を導入しています。
涙液を層別に評価することでドライアイのタイプを分類したり、高機能ソフトで定量・定性測定することで、経時変化を記録することができます。数値で確認できるため、値変化がわかりやすいのが特徴です。
*イナミ資料
ドライアイの治療には、
・ドライアイ点眼液の処方:涙の不足成分を補う点眼、目の炎症を抑える点眼など
・涙点プラグ:涙点に栓をして涙を溜める治療
→この治療に適するかは症状によりますので、医師にご相談ください。
等があります。
〇対策…
ドライアイを防ぐには以下の工夫がおすすめです。
・まばたきを心がける
・エアコンの風が直接当たらないように工夫する
・パソコンやテレビの画面は目より下において、見下ろすようにする
・長時間のコンタクト装用を控える
・目の周りを温めて、血流をよくする
・リラックスして、目の負担を軽くする など
今やドライアイは現代人にとって身近な病気になっています。
少しでもドライアイの症状で当てはまるかも!という方は是非ご相談ください。
今後も患者様のお役に立てる情報を発信したいと思います。
視能訓練士mにお付き合いくださりありがとうございました。